〜ちょっとしたエピソード
<知的財産をめぐる争い>

特許・実用新案編 〜特許権侵害によって支払われるお金〜

1992年:ミノルタvsハネウェルの裁判>
 ミノルタ社は、アメリカのハネウェル社のカメラの自動焦点機構に関する特許を侵害したとして、ハウエル社に対して166億円の損害賠償金を支払いました。

 実は、このハネウェル社は、以前、この特許の技術を日本の会社にも売り込んでいたそうです。その技術は採用されたのですが、品質や性能があまりよくなかったので、日本の会社が独自に作るようになったのです。これに対し、ハネウェル社は、特許で反撃に出たのです。

 製品化においてはハネウェル社に勝った日本企業ですが、特許で負けてしまったのです。


1990年:コダックvsポラロイドの裁判>
 コダック社は、アメリカのポラロイド社のインスタントカメラに関する特許を侵害したとして、ポラロイド社に対し1200億円の損害賠償金を支払うことになりました。

 コダック社は、これに対し、1200億円ですんだことで胸をなでおろしていたそうです。「わざと真似したんじゃない!」という主張が認められたからです。

 アメリカでは、他人の特許をわざと真似した場合、損害額の3倍の賠償金を支払わなければならないという規定があるのです。


2002年:アルゼvsサミー、アルゼvsネットの裁判>
 パチスロをめぐる特許権侵害の裁判で、「合計
84億円の賠償金をアルゼ社に支払え!」という判決が出ましたが、その後、アルゼ社の特許が無効にされてしまいましたので、アルゼ社は多額の賠償金を貰い損ねてしまいました。
 アルゼ社の特許は、「遊び手の技量で絵柄をそろえることができる」という点に特徴があるものだったのですが、「簡単に思いつくような発明だ。」という理由で無効にされてしまったのです。

 ちょっとしたアイデアが特許になるかどうかの境目は、とても微妙なのです。
 また、特許になったからといって相手を訴えたところで、特許が無効だと判断されてしまえば、おしまいなのです。  う〜ん、「特許」って、むずかしい…。
 


<戦いを挑む日本の会社
 最近、
日本の企業によるアジア企業への特許訴訟が目立つようになってきました。
 富士通は、プラズマパネルの基本技術の特許が侵害されたとして、韓国メーカー数社を提訴しています。 シャープは、液晶パネルの特許が侵害されたとして、台湾のメーカーを提訴しています(スーパー大手のイオンは、台湾メーカー製の液晶テレビを販売していましたので、一度はシャープ製品の取引中止を発表しましたが、台湾メーカー製品を撤去するということで、一日で和解したことでも有名です)。

copyright.2004.ASAHI,Naoko