知的財産伝承舎 朝日特許商標事務所(旧) 会員専用のページ お便りコーナー
中小企業の知的財産権
〜中小企業は知的財産の宝庫〜

1.中小企業は日本の産業の底力
 中小企業は、我が国の企業の99.7%を占め、そこで働く人々は、常時雇用者の66.9%を占めています。
 つまり、中小企業は、我が国の産業の底力であり、中小企業が成長し発展していくことこそが、日本の産業の発達に欠かせないと言えるでしょう。
では、中小企業の成長・発展のために必要なものは、一体何なのでしょうか?

あの青色発光ダイオードで有名な日亜化学工業株式会社も、中村修二氏が入社した当時は、従業員200名位、年間売上げが2030億円位の中小企業でした。今では、従業員3000名を超える大企業です。この成長・発展の鍵となったものは何なのでしょう?

2.日亜化学工業株式会社の成長・発展の鍵
 日亜化学工業株式会社の成長・発達の鍵となったのは、次の3点だと思います。
<第1> 
中村修二氏の発明者としての才能 「才能」の中には、「運を掴み取る才能」も入ります。)
<第2> 中村修二氏の才能を踏み潰さなかった企業の力 (当事の社長である小川信雄氏のバックアップもさることながら、再三の中止命令にも拘らず中村氏が研究を続けることができたこと自体、すごいです。これこそ、中小企業の強みなのかもしれません。)
<第3>       青色発光ダイオードの市場を独占することができたこと (青色発光ダイオードに関する市場を独占するためには、特許を取得することが不可避だったのです。

3.市場を独占することができたのは特許のおかげ
 技術は無体物であり、すぐに誰かに真似されてしまいます。
製品化に成功しても、市場に出回った時点で誰かに真似されたのでは、おしまいです。
 特に、大企業が資本力に任せて大量に製造販売したのでは、中小企業はひとたまりもありません。

 大企業の参入を許さず、市場での独占的な地位を築くためには、開発した技術について特許を取得しておくことが必須なのです

4.秘密にするか、公表するか?

 企業で開発される技術の中には秘密にしておいた方が得なものがあります。
 しかし、秘密にしたくてもできないもの、秘密にすべきでないものもあるのです。
 特許出願をするか否かを考える際に必要なことは、「公表すべき技術(公表せざるを得ない技術)と、公表すべきでない技術をいかに見極めるか。」ということです。

5.特許を取得しておくべきか、取得する必要がないか?
 「特許を取得しておくべき技術」とは、「他社に真似されたくない技術」であり、「他社が真似したくなるような技術」です。これを見極めることが大切なのです。

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